Harmonic Compass
五度圏と調性の関係を、回転する物理インターフェースとして手元で探索する音楽理論ツール。
OVERVIEW
音楽理論の関係構造を、回して重ねて確認できる小さな道具へ変える。

ORIGIN
発端
音楽理論を個別の知識として暗記するのではなく、調やコードの役割がどの方向へつながっているかを、関係の構造として理解したいと考えました。
IDEAL EXPERIENCE
目指した体験
手元の盤面を回すことで、現在の調を基準に、五度方向の移動、ダイアトニックコード、平行調、同主調の関係を連続的に探索できる状態を目指しました。
CONDITIONS
成立条件
- 携帯でき、演奏やDJのそばで参照できること
- 主音を変えても同じ読み方ができること
- コードを単独で示すのではなく、役割と移動方向を示すこと
- メジャーとマイナーを一枚の平面上で扱うこと
- 盤面を重ねても必要な情報を読み取れること
DECISIONS
判断
Ver.3では五度方向の移動に加えて、マイナーキーに対する同主メジャーを同じ位置で切り替える構造を追加しました。キャメロット記法のA/Bだけでは扱いにくい調性の反転を、回転盤とレイヤーの重なりで表現しています。
IMPLEMENTATION
実装
Inkscapeで三層の盤面を設計し、黒、シルバー、透明の素材へ彫刻、着色、穴加工を行う構成にしました。中央の軸で盤面を回転させ、基準マーカーに対する音名と役割を読み取ります。
ITERATION
改良
複数回の試作を経て、Ver.3.1では回転部へ8mm径、厚さ0.5mmの鉄ワッシャーとナイロンワッシャーを組み合わせ、量産と頒布が可能な仕様へ確定しました。
VERIFICATION
検証
DJプレイでマイナー曲から展開をつくる際の調性確認や、音楽理論を体系として捉えるための手元の道具として使用しています。知人へ頒布できる段階まで、視認性と回転部の構造を調整しました。
LEARNING
得られたこと
複雑な理論も、要素を増やすのではなく、基準、移動方向、反転という軸へ分けることで、操作可能なInterfaceとして表現できます。Harmonic Compassの制作を通して、音楽理論を個別知識ではなく一つの体系として捉えられるようになりました。
FACTS

